TNI エルゴスウィープ カーボン レビュー/インプレ

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トレンド形状のカーボンハンドルが欲しい

ジェイカーボンネクストへの不満

今までハンドルバーは凝った形状に惚れ、ワンバイエスの「ジェイカーボンネクストVDS」を使ってきました。

導入当時は軽さに驚きましたし、バーテープの厚みを考慮した段差があったり、振動吸収性も良かったりと、それまでアルミハンドルしか使ったことのなかった私には素晴らしいものでした。

 

しかしながら、どうもエルゴパワーとの相性が悪く、以前の記事で触れたようにゲルパッドやスペーサーを仕込み工夫する日々。

扁平なリーチ部分が災いして段差が

 

また、凝った形状をしてはいるもののかなり前に発売された製品なので、設計の古さを感じる部分もチラホラありました。特に使い込む中で、

  1. フレア形状でない
  2. バックスウィープがない
  3. リーチ78mmとほんの少し長い
  4. ドロップ部が細い (実質ドロップ量が増える)

などのポイントが気になるようになりました。

コンセプトは良いですし、これはこれで良い製品だとは思いますが… 

 

そんな折、TNI エルゴスウィープを発見。

フレア3°にバックスウィープ6°のエルゴノミック形状。さらにカーボンなのに実売15,000円台という破格の値段。

もうコレは試すほかないでしょう。

 

エルゴスウィープ概要

アマゾンにて購入

アマゾンでプロショップ物見山RIDEさんが出品しているサイズ400mmを購入、2日で到着しました。

結構な大型商品もすぐ届くのはさすがですね。

 

ただ、以前ジェイカーボンネクスト購入時は可能だったコンビニ受け取りは選択出来なくなっていました。他にも返品関連など、最近のアマゾンはちょっとずつ不便になっている気がします。

外観

ぱっと見では、太い握りとバックスウィープが印象的。

バックスウィープしてます

緩やかなカーブがエルゴパワーとの好相性を予感させます。

また、肩部〜上ハンは扁平とまではいきませんが、卵型で握りやすくなってます。扁平度はアルミ版3Tエルノヴァと同等ぐらいでしょうか。

 

フレア3°は控えで目立ちませんが…

下から見るとこの通り。

たしかにフレアしています。

 

ケーブルを沿わせる溝と内蔵用の穴も確認出来ますが、今回はケーブルを流用したいため前者を使います。

スペック

カタログデータは以下の通り。

  • クランプ径 : 31.8mm
  • リーチ   : 73mm
  • ドロップ  : 123mm(420以上は128mm)
  • 重量    : 202g(400mm)

※サイズはブラケット表記

間違えて先にファイバーグリップを塗ってしまいましたが、実測重量は…

はかりに付いたファイバーグリップは後で拭きました

203gでした。

1gはファイバーグリップ分と考えると、なかなかの正確性。ちなみに、代理店ドライスポーツさんのページでは440が194gになる逆転現象も起きているので、キッチリ計測したデータを掲載してそうです笑。好感が持てます。

 

バーゲル装備のジェイカーボンネクストはというと…

272g。

今回はバーゲルを使わないので、69gの軽量化になります。

 

取り付け

規定トルクについて調べましたが、見つけることができませんでした。

そこで、一般的なカーボンハンドルの目安とされる4N以内に納まるよう、トピーク製簡易トルクレンチで取り付けました。

定番のザラザラ加工もされており、ファイバーグリップと併せれば固定力十分。

ロゴ&センター表示 個人的にはシンプルでカッコいい

これはハンドル全般についての話ですが、プリントのセンター表示はあまりアテになら無いと聞きます。

しかし、自分で正確に寸法を測る技術は無いですし、特にズレてるようにも見えなかったので、今回はプリントを信じました。

 

サドルはトップチューブ、ステムはタイヤ&フォークが目印になりますが、ハンドルは難しいと感じています。

何かいい方法は無いでしょうか?笑

 

装着図

実際に装着するとこんな感じ。セッティングは水平〜微妙にしゃくり気味です。

バーゲルとエルゴパワーのインサートは未使用。

エルゴスウィープ バーゲル&インサートなしver.

こちらはジェイカーボンネクストですが、

ジェイカーボンネクスト バーゲルあり・インサートなしver.

こう見ると太さの違いが顕著です。リーチ〜肩部分のボリューム感も、よく見るとだいぶ異なりますね。

※ちなみにバーテープはどちらもogkのコルクタイプを同程度の厚さになるよう巻いてます。(経年のヘタリは多少あると思いますが)

 

これらが使用感にどう影響してくるか?

次の項で詳しく見ていきます。

 

インプレ・使用感

ファーストインプレッション

まず、第一印象ですが…

 

エルゴパワーとの相性が良い!!

 

とにかく、これに尽きます。

というか、前のジェイカーボンネクストが本当に相性悪かったんですね…笑 これが普通だと思います。

とりあえずのポン付けでもう、バーゲルやインサートを駆使したジェイカーボンネクストと同等以上の満足度。思わず笑みがこぼれました(笑)。

 

あぁ、エルゴパワーはこういうハンドルを想定して開発されたんだな〜というのを感じますね。

 

また、気になって調べると、同様に扁平なリーチ部分を有することで有名な「FSA K-wing」についても「エルゴパワーと相性が良くない」という意見が存在するようです。

したがって、やはりこの形状はカンパと相性が悪いのだと思われます。(12sで改善された可能性もゼロではありませんが…) カンパの情報の少なさは、調整など以上にこういう場面で困りますね。

この段差がクセモノ

カーボンハンドル物色中のカンパユーザーの方は、「リーチ部分が扁平」な製品は避けた方が良いかもしれません。

エアロハンドルにはこの形状が割とあるので要注意です。シマノSTIで評判が良くても、油断はできません。

 

以下、『ジェイカーボンネクストVDS』からの変化を軸としたインプレです。

 

フレア形状について

3°と控えめなので「フレアしてなくはない」という使用感です。

とはいえ、確実にフレアの恩恵を感じ取れます。

後ほど触れる実質的なドロップ量減少と相まり、下ハンの握りやすさ・快適性が大幅アップ。

 

握り方の幅が広がり、「下ハンを握りながら胸を開いてリラックス」することもできるようになりました。

ダウンヒルが快適です。

バックスウィープについて

外観で最も特徴的な部分。商品名も『エルゴ “スウィープ ” 』ですしね。

実際に上ハンが2割ほど握りやすくなりました。卵型形状との相性もgood。

腕を置きやすいことによる「エアロポジションのとりやすさ」もセールスポイントらしいですが、これは扁平度が高い分、ジェイカーボンネクストの方が上です。ですが当然、普通の丸形ハンドルと比べるやりやすい。

 

また、少し前から使い始めたフロントバッグ『オルトリーブ アクセサリーパック』を装着した際の上ハンの使い辛さも軽減されました。

バッグ装着部から遠ざかるようなスウィープのおかげですね。

リーチについて

写真ではわかりにくかったですが、ジェイカーボンネクスト比で78mm→73mmと短くなりました。

セッティングにもよるところなので一概には言えませんが、少しブラケットが近くなって楽になったように感じます。

元々、ステム90mmは若干遠いけど80mmは近すぎる…と思っていたので、丁度いい感じです。

ドロップ部の太さ & ドロップ量について

ここも外観で分かりやすかった部分。

まず単純に、バーが太くなったことで手に食い込みにくくなり、快適性が向上しました。

 

以前、アルミ版エルノヴァを使用した際は「太くて握りにくく、振動をいなしにくい」と感じましたが、意外にも真逆の感想となりました。

カーボン化で振動吸収性が向上したことも大いにありますが、手の大きさにより最適な太さがあり、そこから細くなっても太くなっても握りにくくなるのだと思います。

過ぎたるは及ばざるが如し、ですね。

 

女性などで手の小さな方は、もしかするとジェイカーボンネクストの方が握りやすいかもしれません。380mmならリーチも71mmと短いですし。

 

また、ドロップ量は125mm→123mmという微小な変化ですが、バーが太くなったことで実質的にはそれ以上の変化が。

撮影アングルに若干の違いはありますが、ドロップ内側の空間が狭くなっていることがわかります。

また、こう見るとブラケットとバーの繋がりもより自然になっています。

 

これらとフレア形状の相乗効果で下ハンの握りやすさと安定感が向上し、ダウンヒルが怖くなくなりました。

振動吸収性 & 快適性について

あまり剛性は高くない一方、振動吸収性に優れており快適性が高いです。アルミハンドルと比べれば、その差は歴然。

多少劣るものの、100kmくらいならジェイカーボンネクストVDSとそんなに変わりません。

まぁ、あちらは振動吸収性特化モデルですからね。健闘しています。

不満点

個人的には値段含めて、ほぼパーフェクトな出来と満足度ですが…

欲を言うと、もう少しフレアが大きくドロップ量が少なければ、【ぼくのかんがえたさいきょうのハンドル】になると思います。

具体的には、フレア6〜15°、ドロップ120〜115mmくらいが理想です。

カウベルカーボン
カウベルカーボン 肩部が気になるところ

これに1番近いのがサルサのカウベルカーボンでフレア12°、ドロップ115mm。ただ、あちらはバックスウィープがなく、なで肩の形状が好みじゃないんですよね。もっと張り出しとボリュームが欲しいところ。上ハンも卵型がいいですし、バックスウィープも欲しい。

似たスペックだとワンバイエスのグランモンローもありますが、アルミ版のジェイフィットモンローが合わなかった経験がある上、エルゴパワーと相性が悪いらしいという噂も…

シマノプロのディスカバーカーボンもいい感じですが、フレア20°がちょっと広すぎるかな?

TNIのグラベル用カーボンバーGRABestはリーチ80mmが長すぎる。おしい。

 

けっこう我儘に書きましたが、ハンドル沼はそれだけ深いと考えてます。

どこかカウベルカーボン+エルゴスウィープのいいとこ取りハンドルを出してくれないでしょうか。

総合評価

純粋に形状・機能のみを評価すると80点

値段も考慮すると95点

かなりの名品です。本当に買って良かったと満足しています。

 

まとめ

『TNI エルゴスウィープ カーボン』はコスパ最高なだけでなく、エルゴノミックな形状が素晴らしいハンドルでした。

ロングライド向けとしては、3万円クラスと比べても遜色ありません。それらと比較しても、高く評価できます。(耐久性だけは使い込んでみないとわかりませんが、現時点では大丈夫そうです)

 

値段も考慮すると、

  • 短すぎないショートリーチ
  • 肩部分に張りがある
  • 控えめなフレア
  • バックスウィープ
  • 卵型バートップ
  • そこそこ軽量

という条件でカーボンハンドルをお探しの方には、非常にお勧めの一本です。

▼こちらはアルミ版

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