ロードバイクの良さの1つに、綺麗な景色・美しい風景に出会えることがあります。そして、そんな風景に出会うと心を動かされると、「この美しさを記録に残したい」と思うものです。
実はここ1年ほど、その手段としてフィルムカメラを使うことで、ロードバイクの楽しみがさらに広がりました。
この記事では「クロモリとフィルムカメラ」について書きたいと思います。
クロモリとフィルムカメラは似ている
フィルムカメラで撮った写真
まずは、フィルムカメラで撮影された写真をご覧ください。(すべてオリンパスのフィルム一眼om-1で撮りました)





鮮やかでビビッドなデジタル写真とはまた違う、不思議な魅力があります。
僕はクロモリ最大の魅力は「旅の情緒を感じさせる」部分だと考えています。乗り味しかり、見た目しかり。そして、その「旅の情緒」を最も良く表現できる道具を考えると、フィルムカメラはとてもピッタリです。特にネガフィルムの持つ独特の柔らかな風合いは最高の相性。
フィルム写真の持つ思い出や記憶というイメージが、旅を振り返る心情に寄り添うようで気持ちいい。何度も見返したくなる、そんな印象深い写真が撮れるように思います。
どちらも古い道具
クロモリもフィルムも、どちらも最先端からは程遠い、古く枯れた技術で作られています。
クロモリの場合
例えばクロモリなら、空気抵抗や重量、剛性といった、数値で表せるスペックではカーボンバイクに敵いません。1度カーボンバイクにも乗ったことがありますが、ヒルクライムの楽さ・瞬発力は圧倒的!ちょっとした全能感が味わえます。
フィルムの場合
フィルムカメラも同様に、画素数や撮影可能枚数、光学性能などのスペックはデジタルに遠く及びません。撮ってから写真を確認できるまで、1ヶ月以上掛かることもザラです。そして、iso(感度)を自由に変えることができないので、基本暗所には滅法弱いです。(三脚があれば別ですが)
どちらもスペックのみで考えると、あえて選ぶモノではないようにも思えます。
その楽しさ、オンリーワン
しかし、です。
実際に使ってみて走りや写真の写りはどうかというと、十分過ぎるほど素晴らしいんです。かつてはプロにも愛用されていた製品だけに、一定水準のスペックは兼ね備えています。
レースで1分1秒に命を賭けているのでなければ、スペックの違いは誤差といえます。実際、それが原因で後悔したことはありません。
そして、こと、『楽しむ』という部分においては、その独特の乗り心地や色合い・操作性がカーボン・デジタルにはない大きな魅力になります。決して最新機材には真似できない、オンリーワンの存在。
クロモリの場合
クロモリだったら、しなりを生かした伸びのある走りや細身の何とも言えない美しいシルエット。多少の傷は気にせず使い込めるタフさ。瞬発力や反応性には欠けますが、とにかく走っていて気持ちが良く、ずっと乗っていたくなります。
フィルムの場合
フィルムだったら、淡く明暗を写す描写だったり、露出・絞り・シャッタースピードを全て手動のダイヤルで操作するパズルを組み立てるような撮影手順。特にピントリングの回し心地は絶妙!また、電池が1年以上持ち、もし電池切れしても撮影可能だったりもします。
以上、分けて書きましたが、どれも最新アイテムにはない強烈な個性です。
クロモリに惹かれている方は、フィルムカメラにもハマること受け合いです。機会があったら、手に取ってみるのも面白いかもしれません。

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